歩行障害に対する治療
Gait Disorder
制御できない自分の体と向き合う方々へ
「歩行障害」は一括りで症状をまとめることは不可能なほど多様な疾患によって起こります。
「めまい」「脳疾患」「変形性疾患(腰や膝など)」「足の痙攣」「足が動かない」など
私も様々な理由で歩行を障害されている方の治療に携わってきました。
病院でも、「耳鼻咽喉科」「脳神経外科」「整形外科」「神経内科」など診療科目は幅広く関係しており、日本の医療制度上、たらい回しにあった方も少なくありません。
原因疾患がわかった歩行障害も、原因疾患がわからない歩行障害も、細かい分析で漸進的な変化を与えることができると経験的に感じています。
少しでも私が見ている身体の世界が伝わるようこのページに説明を書き綴りたいと思います。
片麻痺による歩行障害に対する治療
片麻痺に対する歩行障害と一括りにするのではなく、その歩行のどの動作に対して特に悩んでいるか、もう少し詳細を探ることが大切です。
今回ご紹介している中では、歩行中の方向転換時、特に右回りの時に不安定と足が前に出ずにもつれそうになるという症状でした。
腰部や頸部の治療でその場で変化が出ています。
症状の変化は大小さまざまですが、うまくポイントを見つけることができればその場で改善が見れます。
症例報告した脳神経障害のブログはこちら臨床ブログ
側弯症(変形性脊椎症)とふらつき
変形性による側弯症も改善させることはもちろん出来ます。
長くにわたるめまいと首の痛み、そして足に力が入らないふらつきを呈する80代の方。
首がスムーズに回るようになり、頭位性と視覚によるめまい感は改善しました。
変形性の腰椎症による坐骨神経障害があり、足に力が入らずふらつきがあり、めまい感を増悪させていましたが、変形は治りませんが、関節の機能障害の部分を改善させることで神経障害とふらつき共に改善し、元気に買い物にも出歩けるようになりました。
側弯症の治療コラム
足の痙攣による歩行障害に対する症例
歩行障害には、姿勢制御維持が困難であることか、そこからの歩行動作に異常が生じるのか、2つ考えられます。
足の痙攣によるめまい感とガクッと力が抜けて立っていることができなくなった方の症例です。
この場合は、姿勢制御維持の障害がメインとなりますので、姿勢維持をする際の筋肉と神経制御の問題点を探し治療していきます。
数年前に一度足首の痙攣で来院されていますが、3ヶ月くらいで治り、その後は1ヶ月に一度くらいのペースで治療に来ていました。
コロナウイルスによって来院が半年止まり、今回ももの痙攣で来院されました。
前回は足関節の治療を行いましたが、今回は股関節と骨盤、脊柱の調整で改善しました。
症例報告したブログはこちら臨床ブログ
Point
多角的視点のポイント
視覚と歩行障害の神経学
めまい=耳の平衡感覚の問題
と捉えている方が非常に多く、メニエールと診断されてしまえば、耳の問題と結論づけてしまいがちです。
メニエールと診断されていても、隠れている病態として多いのが【眼球運動の機能障害】です。
脳は、平衡感覚の情報を常時受け取っており、その情報に合わせて眼球運動の補正や手足の運動による補正を行なっています。
眼球運動が障害されていれば、補正がうまくいかず "めまい感" を覚えます。
眼球運動の検査を行い、眼球によるめまいの要素を取り除いていきます。
もちろんほとんどの方が眼振をチェックされるでしょう。そして中には、全く問題ないという結果ももらっている方もいると思います。
しかし病的な眼振と病的とは言えない程度の眼振があります。
病的とは言えない程度の眼振や、眼振はないけれども、眼球の機能障害があり、改善できる症状です。
スマートフォンの普及によって、今後さらに原因不明の歩行障害やめまい、もしくはめまい疾患に加えて症状を増強している視覚的めまいは増えてくるでしょう。
また視覚=眼球運動以外に、視覚は視野という考え方もあり、視野障害によるめまいもあります。
緑内障などの視野障害が起こる疾患がある方も、疾患がない方でも視野障害は起こります。
その原因の多くに【効き目】があります。
両眼立体視という、顔の前方にある2つの目で世界を見る能力が人間にはありますが、何らかの影響で片目の焦点が合わない場合、そちら側の視野はぼやけてしまいます。
そう言った視野の左右差によるめまい感もあります。
【めまい】と【めまい感】という言葉の違いを少しわかっていただけたでしょうか?
めまいは疾患として認められていますが、めまい感は原因不明と言われやすいものといったところでしょうか。
歩行運動のための運動パターンに脳は必要ない
歩行障害=脳障害とすぐに結びつけがちですが、歩行の最小単位は脊髄にあります。
20世紀初頭に歩行の神経制御メカニズムの研究がたくさん行われてきました。
それらの研究から得た4つの結論を紹介します。
1:脊髄より上位の神経中枢からの指令は、歩行障害の基本的な筋活動パターンの形成には必須ではない
2:歩行運動の際の基本的な律動的筋活動パターンは脊髄に局在した神経回路によって形成される。
3:この脊髄の神経回路は、脳からの下行性の持続的な信号によって調節される。
4:筋活動パターンを形成する脊髄神経回路の活動には、感覚入力を必要としない一方、足の固有受容器からの入力に強く調節される。
※もちろん歩行障害が出た際には、まずは脳障害を疑って病院を真っ先に受診してください。
例えば、脳梗塞後の後遺症(片麻痺)による歩行障害がある方も腰に異常をきたすと、歩行障害がかなり悪化します。
腰や股関節を調整すると片麻痺の程度も軽減しますので、腰が悪いと麻痺も強くなり、歩行はかなり制限されてしまいます。
その他にも、足が痙攣したり、足の力がガクッと抜けて歩行が困難だった方がこれまでにもいましたが、脊椎の調整で改善した例はこれまでにかなり多くあります。
脊椎を調整しながら足のリズミカルな運動ができるようになるかを確認して治療を進めていきます。
そもそもの行動とは何かを神経学的に捉える
歩行は移動運動(locomotion)ですが、その移動には目的がある場合と自律的な運動の場合があります。
「律動的に手足を動かし進む」前に意図(意志)があり、どこかへ向かう、到達するために歩く行動という側面があります。
その到達運動には、視覚的に距離や方向を捉える認知システムから始まり、自分の手足の状況からどれくらい手足を動かせば到達できるのか計算をし、実際に動きながら随時計算を続ける、といった段階的な役割があります。
それらは運動機能という側面以外に認知機能というのが非常に重要になってきます。
認知機能の中には、外的情報と呼ばれる距離や障害物の把握以外に、自分自身の状態を知る内的情報があります。
その内的情報は極々当たり前の腰痛や肩こりでも認知機能に問題を起こすため、鞭打ちなどのような強い衝撃を受けたり、スイカ割りのような同じ方向への繰り返す刺激などによって簡単にズレを生じさせます。
外的環境と内的環境の認知のズレを探し改善させることで歩行障害も改善することがあります。
ごく簡単な例をご紹介すると、正座の後に足が痺れた状態で歩こうとすると歩けず転倒するように、自分の足の感覚が薄れるだけでも歩こうとする行為と実際の体にギャップば生まれ、軽度の場合はめまい感やなんか思うように歩けない、みたいな症状となります。
眼球運動 滑動性眼球運動と前庭動眼反射
「眼球運動」と一言で言ってもいろんな作用があります。
神経学を学ぶ上でこの眼球運動は様々な反射機能があるため、難しい部分でもあります。
何か動くものを目で捉えるとき、目はスムーズに動きます。これを滑動性眼球運動と呼び、眼振を検査する上で重要な運動です。
もう1つは、高速で眼球運動が”飛ぶ”衝動性眼球運動というのがありますが、割愛しています。
こう言った眼球を動かす以外に、頭や体が動いた際の”手ぶれ補正機能”も反射的に行なっており、これを前庭動眼反射と言います。
今回の動画では、こう言った機能を簡単に説明していますが、臨床上は、これらの検査を頭痛やめまい以外にもスポーツにおける動体視力の検査としても用いることができます。
Price
料金
所在地 | 東京都港区芝5−27−5山田ビル503 |
---|---|
最寄駅 | JR田町駅 徒歩2分 |
料金 | 初診:13,200円(税込) 再診(2回目以降)9,900円(税込) 再初診(前回から2ヶ月経過した場合):12,100円(税込) 高校生以下は2000円割引します。 訪問(出張)による施術を希望される方は施術代22,000円+交通費(※施術人数によって施術代はお安くなります) キャンセルポリシー:予約の変更またはキャンセルに対して、予約前日の場合は50%、当日の場合は100%のキャンセルフィーを頂戴しております。 |
駐車場 | 8/1よりビルの駐車場をお借りできることになりました。利用条件はこちらをご参照ください。 駐車場利用許可証をお渡ししますので事前にご連絡ください |
休み | 日・祝 休み |
受付時間 | 午前: 9:30〜14:00 |
連絡先 | 電話:03-6435-2437 Web予約はこちら LINE@:LINEからのご予約・ご相談 |
動作分析と機能評価
※オンラインでもできます
①動作分析
スイングフォーム分析(背面、側面、前面の3方向)
※来院が難しければ、スイング動作を撮影した動画をメールやLINE等で送っていただいても結構です。オンラインでも対応致します。
②問診
スイングに対しての要望や悩み、また身体に対しての違和感や不調などの把握。これまでの怪我や手術の経歴(既往歴)など、体質と経過を把握していきます。
③機能評価
フォームの問題点が体の問題なのか、ただの癖なのかを把握するために必要な理学検査を行い、身体の機能評価を行います。
※来院が難しい場合は、こちらが指定する動作をオンラインの環境で行っていただき、その動きに対する動作分析から身体の状態を把握します。
④リハビリテーション・運動療法・治療
機能評価の結果とフォームの問題点を照らし合わせて必要なリハビリテーションを指導します。また施術によって、関節のスムーズな動きを作ったり、神経の足痛を測り、動きにキレを出していきます。
※来院が難しい場合は、オンラインにて必要な運動療法を指導します。
全てオンラインにてできますが、一度でも検査・触診・治療を行ったことがあると分析が正確になります。一度来院されることをお勧めします。
通院中の方は無料で動作分析を行いますが、通院されていない方は初診時と同じ料金にて対応致します。